気温がぐんぐん上昇する夏場、屋外での作業が多い建設現場では、熱中症のリスクが非常に高まります。熱中症は、めまいや吐き気といった軽度な症状から、命に関わる重篤な状態まで、その症状は様々です。
「暑いのは仕方ない」と安易に考えていると、取り返しのつかない事態に繋がりかねません。今回は、建設現場で働くすべての人々の命を守るための、効果的な熱中症対策と予防のポイントについて解説します。
1. 熱中症の危険性を正しく理解する
熱中症は、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりすることで起こります。特に、以下のような状況では発症リスクが高まります。
- 高温多湿な環境: 湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体から熱が逃げにくくなります。
- 激しい労働: 体温が急激に上昇し、大量の汗をかくことで、水分や塩分が失われます。
- 体調不良: 寝不足、疲労、風邪などで体力が落ちている時は、より熱中症にかかりやすくなります。
「自分は大丈夫」という過信は禁物です。誰もが熱中症になる可能性があることを、現場で働く全員が共有しましょう。
2. 今すぐできる!具体的な予防策
熱中症は、正しい知識と備えがあれば防ぐことができます。以下の予防策を徹底しましょう。
こまめな水分・塩分補給を習慣に
喉が渇いたと感じる前に、水分と塩分をこまめに補給することが最も重要です。
- 水だけでなくスポーツドリンクや経口補水液を: 汗で失われるのは水分だけではありません。塩分やミネラルも一緒に補給できるドリンクが効果的です。
- 塩飴やタブレットを活用: 作業の合間に塩分を補給できる塩飴や塩タブレットも非常に有効です。
- 休憩ごとに補給: 休憩時間を活用して、全員で水分補給を行う時間を設けましょう。
服装と休憩場所の工夫
服装や休憩場所を工夫するだけでも、体への負担を大きく減らすことができます。
- 通気性の良い服装を選ぶ: 熱がこもらないよう、速乾性や通気性に優れた作業服を選びましょう。
- 日差しを避ける: 帽子やヘルメットの着用はもちろん、こまめに日陰に入って体を休めましょう。
- 休憩場所を涼しく: 休憩場所には、クーラーやスポットクーラー、大型扇風機などを設置し、体温を下げられる環境を整えましょう。
作業計画の見直し
作業内容やスケジュールも、熱中症対策には欠かせません。
- 作業時間の調整: 炎天下の作業は避け、気温が比較的低い早朝や夕方に行うようにしましょう。
- こまめな休憩を取る: 作業中に10分~15分程度の短い休憩を定期的に挟み、無理のないスケジュールで作業を進めましょう。
- チームで体調をチェック: チーム内で互いの体調を確認し合う「声かけ」を習慣にしましょう。「顔色が悪い」「汗をかきすぎている」など、少しでも異変があれば、すぐに休憩を促してください。
3. もしもの時の応急処置
万が一、誰かが熱中症にかかってしまった場合、速やかな応急処置が命を救います。
- すぐに涼しい場所へ: 日陰や風通しの良い場所、可能であればクーラーの効いた室内へ移動させます。
- 体を冷やす: 服を緩め、体を冷やします。特に首の周り、脇の下、太ももの付け根などを保冷剤や氷、冷たいペットボトルなどで冷やすと効果的です。
- 水分・塩分を補給: 意識がはっきりしている場合は、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲ませます。
- 病院へ連絡・搬送: 自力で水分が摂れない、意識がない、けいれんしているなどの重症の場合は、すぐに救急車を呼び、病院へ搬送してください。
まとめ:安全は「声かけ」から生まれる
建設現場における安全管理は、設備の点検や法令遵守だけではありません。熱中症対策のように、作業員一人ひとりの体調管理に気を配ることも、非常に重要な安全管理の一環です。
熱中症は、予防が何よりも大切です。こまめな水分・塩分補給、適切な休憩、そして何より「お互いを気遣う声かけ」を徹底することで、暑い夏も安全に乗り越えましょう。

