クレーン作業に欠かせない「玉掛け」
クレーン作業というと、ついクレーン本体や運転士に注目が集まりがちです。
しかし、実際に荷を安全に吊り上げるために欠かせないのが玉掛け作業です。
どれほど高性能なクレーンを使用していても、玉掛けが適切でなければ重大な事故につながる可能性があります。
実際の現場では、
- ワイヤーロープの掛け方
- 重心の見極め
- 吊り角度の確認
- 合図の伝達
など、多くの確認事項があります。
■ 玉掛け作業で発生しやすい事故
玉掛け作業では様々な災害事例がありますが、その多くは特別な原因ではありません。
むしろ、
「慣れ」による確認不足
から発生するケースが少なくありません。
代表的な事例として、
- 荷の落下
- 荷振れによる接触
- ワイヤーロープの外れ
- 玉掛け用具の破断
- 挟まれ事故
などがあります。
■ 重心の確認は最重要項目
重量物を吊り上げる際、最も重要な確認項目の一つが重心です。
重心位置を誤ると、
- 荷が傾く
- 荷振れが発生する
- ワイヤーロープへ偏荷重がかかる
などの危険が生じます。
特に製缶品や機械設備などは見た目と重心位置が一致しない場合も多く、慎重な確認が必要です。
■ 吊り角度にも注意が必要
玉掛けでは吊り角度も重要です。
同じ重量物であっても、吊り角度が大きくなるとワイヤーロープにかかる力は増加します。
例えば、
- 吊り角度が小さい場合
- 吊り角度が大きい場合
では、ワイヤーロープに発生する張力が大きく変わります。
適切な玉掛け用具の選定が重要となる理由の一つです。
■ 合図の統一が事故防止につながる
クレーン作業では、運転士と玉掛け作業者の連携が欠かせません。
そのため、
- 誰が合図者なのか
- どの合図を使用するのか
- 作業範囲はどこまでか
を事前に共有しておくことが重要です。
合図の認識違いは思わぬ事故につながることがあります。
■ 玉掛け用具の点検を忘れない
ワイヤーロープやシャックル、スリングベルトなどの玉掛け用具も定期的な点検が必要です。
使用頻度の高い現場では、
- 摩耗
- 変形
- 腐食
- 損傷
が発生している場合があります。
作業前の点検は安全作業の第一歩です。
■ 「慣れているから大丈夫」が最も危険
玉掛け災害の多くは、新人だけに発生するわけではありません。
むしろ経験豊富な作業者ほど、
- 確認を省略する
- 思い込みで作業する
- いつも通りだから問題ないと考える
ことがあります。
だからこそ、
基本を確実に守ることが最大の安全対策です。
■ 荷重試験でも玉掛けは重要な工程です
荷重試験では大量の検査用ウェイトを使用することがあります。
その際も、
- 安全な玉掛け
- 適切な重心管理
- 確実な合図
- 安全な撤収作業
が重要になります。
荷重試験の成功は、こうした一つ一つの基本作業の積み重ねによって支えられているのです。
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