クレーン作業において、最も緊張すべき瞬間はいつでしょうか。それは、荷物が地面を離れる瞬間、いわゆる**「地切り(じぎり)」**のときです。
統計的にも、クレーン事故の多くはこの「地切り」の直後に発生しています。荷物が一度空中に浮いてしまえば、その後の移動は安定しますが、地面から離れる一瞬には、計算外の力が加わりやすいヒューマンエラーの罠が潜んでいます。
私たち有限会社甲新クレーンが、地切り時に徹底すべき安全ポイントを技術的な視点から解説します。
1. 「荷振れ」を招くセンターズレの罠
地切り時の事故で最も多いのが、荷物が浮いた瞬間に大きく横へ振れる**「荷振れ」**です。
- 原因: クレーンのフックの中心と、荷物の重心が垂直線上にない(センターがズレている)状態で巻き上げると、荷物は浮いた瞬間に重心位置へ向かって振り子のように動きます。
- リスク: 周囲の作業員との接触や、建屋の柱への衝突、最悪の場合はワイヤーの破断を招きます。
- 対策: 「地切り」の前に必ずフックの位置を再確認し、少しでもズレがあれば巻き上げを中断して位置を修正する**「センター出し」**を徹底してください。
2. 「30cm一時停止」の重要性
ヒューマンエラーを防ぐ最も有効なルールが、**「30cmでの一時停止」**です。
- 実践: 荷物を地切りしたら、地上30cm程度の高さで一度巻き上げを止めます。
- 確認事項:
- ワイヤーの張り: 異常な音や滑りがないか。
- 荷の傾き: 重心は合っているか、荷が傾いていないか。
- 玉掛けの状態: ワイヤーが重なったり、外れそうになったりしていないか。
- 効果: この数秒の停止と目視確認が、重大な墜落事故を未然に防ぎます。
3. 「急」のつく操作の厳禁
地切り時に焦って急激に巻き上げると、静止していた荷物に動的な衝撃荷重(インパクト荷重)がかかります。
- リスク: 荷物の重量の数倍の力がワイヤーやクレーン構造体にかかり、定格荷重内であっても部品の破損を招くことがあります。
- 対策: ワイヤーがピンと張るまでは微動操作で行い、ゆっくりと地面から離す意識が、機械と作業員の両方を守ります。
🏋️ 安全な「地切り」の確認は、正確な荷重試験から
クレーンのブレーキや構造が、設計通りの力を発揮できるかを確かめるのが荷重試験です。
- 【最大350tまでの大型試験に対応】 小規模から大型クレーンまで、最大350tまでの荷重試験に必要なウェイトを、自社保有在庫から迅速に手配いたします。
- 【薄型ウェイトが実現する現場の安全】 低重心・薄型設計により、吊り上げ時の荷振れと荷崩れリスクを極限まで抑制します。
- 【運搬・設置・玉掛けまで完全ワンストップ】 ウェイトのレンタルだけでなく、現場への運搬、設置、検査時の玉掛け作業、そして試験後の撤去まで。すべて自社一貫体制で対応し、お客様の手間をゼロにします。
荷重試験の確実な実施は、ぜひ甲新クレーンにご相談ください。

