工場や作業場に吊り上げ荷重0.5トン以上3トン未満の天井クレーンを設置する事業者は、労働安全衛生法およびクレーン等安全規則に基づき、所轄の労働基準監督署へ**「クレーン設置報告書」**を提出することが義務付けられています。
この報告書は、クレーンの安全性に関する基本的な技術情報と設置計画を簡潔に報告するためのもので、正確な情報に基づいた記入が求められます。
私たち有限会社甲新クレーンは、クレーン設備の専門家として、この報告書の提出に関する重要なポイントと注意点を解説します。
1. 設置報告書の法的根拠と提出期限
クレーン設置報告書の提出は、クレーン等安全規則第8条に基づいています。この報告書を提出するクレーンは、吊り上げ荷重3トン以上のクレーンに義務付けられている**「設置届」や「落成検査申請」**が免除されます。
しかし、その分、事業者の自主的な責任が大きくなります。
- 提出義務の対象: 吊り上げ荷重が0.5トン以上3トン未満のクレーン。
- 提出先: クレーンを設置する場所を管轄する労働基準監督署長。
- 提出期限: クレーンを設置する前までに提出しなければなりません。設置工事が既に開始または完了している状態での提出は、原則として認められません。
2. 報告書に記載すべき主要な項目と注意点
クレーン設置報告書(規則様式第9号)には、クレーンを特定し、その安全性を示すための主要な情報を記載する必要があります。
これらの技術情報は、クレーンメーカーや設置工事の担当業者から提供される仕様書や明細書に基づいて正確に転記することが重要です。
2部作成し、所轄労働基準監督署に持参または郵送すると1部返却されます。該当クレーンを廃止するまで保管してください。

3. 報告書提出後の重要な義務
設置報告書の提出が完了しても、クレーンを使用するために事業者が果たすべき義務は残ります。
- 使用開始前の自主検査: 行政による落成検査は不要ですが、事業者はクレーン等安全規則第41条に基づき、使用を開始する前に必ず自主的に性能検査(試運転と荷重試験を含む)を実施し、その結果を記録・保管しなければなりません。
- 定期的な自主検査: 使用開始後も、1年ごとおよび1月ごとの定期的な自主検査と記録・報告の義務は継続します。
報告書の提出から自主検査の実施まで、法令を遵守した安全管理を行うことが、事業継続の基本となります。ご不明な点は、専門業者にご確認ください。

