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🏗️走行不良のサイン!天井クレーン「車輪フランジ摩耗」の原因と予防策

天井クレーンが走行する際、車輪はレールの上を転がっていますが、車輪の両端にあるフランジ(つば)は、車輪がレールから外れるのを防ぐ役割を果たしています。このフランジが異常に摩耗したり、片側だけが削れたりする現象は、クレーンに走行不良や大きな負荷がかかっているサインであり、脱線事故のリスクを高めます。

私たち有限会社甲新クレーンは、天井クレーンのスペシャリストとして、この「車輪フランジ摩耗」が発生する主な原因と、それを防ぐための予防策を解説します。

1. 車輪フランジ摩耗が発生する主な原因

フランジ摩耗は、多くの場合、クレーン自体の設計上の問題ではなく、走行環境の不備から発生します。

  • ランウェイの「通り違い」: 左右の**走行レール(ランウェイ)**が完全に平行でなく、わずかに開いたり閉じたりしている状態(通り違い)が続くと、車輪が常にフランジをレール側面に押し付けながら走行するため、摩耗が促進されます。
  • 「クラブ走行」の発生: クレーンの左右の車輪が、レールに対して均等に推進力を得られていない場合、クレーン全体が斜めに向きながら走行するクラブ走行が発生します。これにより、車輪の一方のフランジに常に強い側圧がかかり、摩耗が集中します。
  • 車輪径の不一致: クレーンの同一側に装着されている左右の車輪の直径が、摩耗などによりわずかに異なると、走行距離に差が生じ、フランジがレールに押し付けられる原因となります。

2. フランジ摩耗がクレーンに与える影響

フランジの異常摩耗は、以下のような深刻な影響をクレーンに与えます。

  • 脱線リスクの増大: フランジが削れて薄くなると、レールとの隙間が広がり、地震や急停止といった衝撃時に車輪がレールから外れやすくなります
  • 騒音と振動の増加: 摩耗によりフランジとレールがこすれる音や振動が大きくなり、作業環境が悪化するだけでなく、駆動系全体に不要なストレスを与えます。
  • 駆動部品の早期損傷: クラブ走行や摩耗によって生じた側圧は、モーター、減速機、軸受などの駆動部品に負荷をかけ続け、早期故障の原因となります。

3. フランジ摩耗を防ぐための予防策

フランジ摩耗を防ぎ、クレーンの長寿命化を図るためには、走行環境の適切な管理が不可欠です。

  • ランウェイの精密調整: 最も重要なのは、**走行レールの「通り」と「高さ(レベル)」**を専門的な計測機器を用いて精密に測定し、許容範囲内に調整することです。
  • 車輪の同時交換: 摩耗による車輪径の差を防ぐため、車輪は可能な限り同一側、あるいは全輪同時に交換することが推奨されます。
  • 日常点検での確認: 日常点検や月次点検において、車輪フランジの摩耗状況を注意深く観察し、摩耗が進んでいる場合は、クレーン本体だけでなくランウェイの調整不良も疑う必要があります。

車輪フランジの異常摩耗を発見した場合は、クレーン本体の修理だけでなく、走行レール全体を専門的に診断・調整することが、安全と長寿命の確保に繋がります。

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