天井クレーンによる荷役作業において、最も事故が発生しやすい工程をご存知でしょうか?
それは、荷物をフックにかける、あるいは外す一連の作業、すなわち**「玉掛け作業」**です。労働災害統計を見ても、クレーン等による災害のうち、**玉掛け作業中の「荷の落下・崩壊」や「挟まれ」**が非常に高い割合を占めています。
玉掛けは、単なる力仕事ではなく、**「荷重の計算」「吊り角度の把握」「器具の選定」**といった高度な専門知識と判断が求められる作業です。
私たち有限会社甲新クレーンは、クレーン設備のスペシャリストとして、玉掛け作業の危険性と、事故を未然に防ぐための教育・設備管理の重要性について解説します。
1. 玉掛け作業が危険な二つの理由
玉掛け作業は、クレーン運転士と作業員の連携が不可欠であり、危険な要素が複合的に絡み合っています。
理由① 荷重と重心の「目測」による判断ミス
玉掛け作業者は、吊り上げる荷物の重量と重心位置を瞬時に判断し、最適な吊り方を選ばなければなりません。この判断を誤ると、吊り上げた瞬間に荷が傾いたり、ワイヤーロープが滑って落下したりする原因となります。特に、形状が不規則な荷物や、重心がわかりにくい荷物での事故が多発します。
理由② 吊り角度による「張力増大」の危険性
二本以上のスリング(ワイヤー)で吊る際、スリング同士の角度(吊り角度)が大きくなるほど、ワイヤーロープにかかる張力は増大します。例えば、吊り角度が120度に開くと、ワイヤーにかかる力は、吊り荷の重量を大きく上回ります。この計算を怠ると、ワイヤーやフックが破断する重大事故につながります。
2. 事故を防ぐための「教育」と「設備」の二重対策
玉掛け事故を減らすためには、作業員の知識と、使用する器具の安全性の両面からのアプローチが必須です。
- 徹底した専門教育(知識): 玉掛け作業は、法令により技能講習修了者でなければ行ってはいけません。しかし、資格取得後も、経験による「慣れ」を排除し、定期的な再教育を通じて、正しい荷重計算や角度の危険性を再認識させることが極めて重要です。
- 器具の日常点検と交換(設備): ワイヤーロープ、シャックル、フックなどの玉掛け器具は、最も消耗が激しい安全装置です。作業前点検でキンク(よじれ)や素線切れ、摩耗といった異常を発見し、少しでも異常があれば直ちに交換しなければなりません。
3. 甲新クレーンは「安全な玉掛け環境」構築をサポートします
私たち甲新クレーンは、クレーンの点検・設置だけでなく、クレーンを使用する現場の**「安全性向上」**に貢献することを使命としています。
- 玉掛け器具の専門点検・交換サービス: 法定点検時に、クレーン本体だけでなく、フックや使用されている玉掛け器具の劣化状態を診断し、安全な交換時期をご提案します。
- 現場に合わせた安全教育サポート: お客様の工場で扱う荷物やクレーンの特性に合わせた、より実践的な玉掛け作業指導や、資格取得支援に関する情報提供を行います。
玉掛け作業の安全は、工場の安全そのものです。専門家のサポートにより、ヒューマンエラーの可能性を極限まで低減させましょう。

