天井クレーンの部品の中で、最も「命」に近い場所にあるのが、荷物を吊り上げているワイヤーロープです。
このロープは消耗品であり、適切な時期に交換しなければ、突然の破断による重大事故を引き起こします。年次点検の際、私たちはワイヤーロープの安全性を徹底的にチェックしますが、特に重要視するのが**「素線切れ」**の程度です。
今回は、ワイヤーロープの交換時期を見極める基準と、日々の点検で確認すべき危険信号について解説します。
危険度が高い「素線切れ」の基準
ワイヤーロープは、細い金属の線(素線)を撚り合わせて作られています。この素線が切れる現象を「素線切れ」と言います。
労働安全衛生規則に基づく点検基準では、以下の状態になったワイヤーロープは使用が禁止されます。
- 1より(ストランド)の断裂: ワイヤーロープを構成する束(より)が完全に切断されている場合。これは即座に破断の危険がある状態です。
- 素線切れの集中: 1ピッチ(ロープを一回りした長さ)の間で、素線が10%以上切断されている場合。例えば、ロープ全体の素線が100本の場合、10本以上の素線切れがあれば使用禁止です。
この基準は厳格であり、わずかな素線切れでも、荷重がかかる部分では急速に劣化が進行します。
プロが注目するその他の危険信号
- 「キンク」(ねじれ、折れ曲がり): ロープが強くねじれて形が崩れている状態。ロープの強度が大きく失われているため、使用禁止です。
- 著しい摩耗: ロープの直径が細くなっている、または外側の素線が平らになっている状態。
- サビと油切れ: 内部の素線がサビて固着していると、荷重がかかった際にロープが柔軟に変形できず、破断しやすくなります。
予防的な交換が最も安全で経済的
ワイヤーロープの交換を先延ばしにすることは、命を危険にさらすだけでなく、クレーン全体のリスクを高めます。
有限会社甲新クレーンは、年次点検時に素線切れの程度や摩耗の状態を詳細に診断し、最適な交換時期を提案します。事故を未然に防ぐための適切な部品交換は、安全な工場運営の絶対条件です。
ワイヤーロープの点検や交換をご検討の際は、ぜひ私たちプロにご相談ください。

