天井クレーンが発する**「音」や「振動」は、単なる騒音ではありません。それは、クレーン内部で進行している重大な経年劣化や故障のサイン**です。
クレーンの定期検査や点検において、私たちは機械器具設置のプロとして、これらの「音」や「振動」を五感を駆使してチェックし、目視では見えない異常を早期に発見します。
今回は、プロが特に注目する**「危険な異音・振動」の正体**と、それらが引き起こすリスクについて解説します。
1. 異音の正体:「キー」「ゴリゴリ」「ガラガラ」
「キー」という高い摩擦音
これは主にブレーキから発生します。ブレーキライニングの摩耗や、ブレーキドラムとの間に異物が挟まっている可能性があります。制動力が低下しているサインであり、吊り荷の滑落事故に直結する危険な音です。
「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」という異音
これは、ギア(歯車)やベアリング(軸受け)の摩耗、または破損が進行しているサインです。特に巻上機や走行装置からこの音が聞こえる場合、潤滑油切れやグリスの劣化が原因で、金属同士が削れ合っている状態です。放置すればクレーン本体の動作停止につながります。
「ガラガラ」「カタカタ」という緩み音
ボルトやナットが緩み、金属部品同士が接触している音です。特に、クレーン桁や走行レールの接合部から聞こえる場合、構造的な緩みが発生している可能性があり、脱線やクレーン崩壊といった致命的な事故のリスクが高まります。
2. 振動の正体:揺れや異常な傾き
走行時の不規則な振動
クレーンが走行する際の振動が普段より大きい、または不規則な揺れがある場合、走行車輪の摩耗・偏芯や、走行レール(ランウェイ)の歪みが考えられます。レールに異常がある場合、クレーンへの負荷が不均一になり、脱線事故のリスクを高めます。
異常を見つけたら「即時報告・使用停止」
これらの異音や振動は、年次荷重試験の際に特に明確に現れます。私たちは荷重をかけながら、クレーンの各部に異常がないかを詳細にチェックします。
作業員の方が日々の点検で「いつもと違う」と感じた場合、それは大きな事故の予兆かもしれません。
有限会社甲新クレーンは、クレーンの「音と振動」を熟知した専門技術者が、お客様のクレーンを診断し、適切な修理や部品交換を行います。小さなサインを見逃さない予防保全こそが、安全な工場運営の絶対条件です。

